胡蝶蘭の病気について

大切に育てている胡蝶蘭が病気に罹ってしまうと悲しいですね。しかし、胡蝶蘭も他の植物同様病気に罹ることがあります。
まずは病気に罹らないような予防対策が非常に大切です。何故なら、胡蝶蘭の病気の中には、一度罹ってしまったら処置の仕様がなく、株毎処分しなければならない場合があるからです。

胡蝶蘭の病気の原因は、

1. ウイルスに依るもの
2. 細菌に依るもの
3. カビに依るもの

の3つに大別されます。
その他に肥料や温度、乾燥、直射日光といった悪環境に依って病気に似た症状を起こすこともあります。
ですから、普段から胡蝶蘭を適当な温度で風通しの良い場所に置いて管理し、水のやり過ぎに注意することが病気の予防になります。

では、実際に胡蝶蘭の病気について見ていきましょう。

◆ウイルス病

胡蝶蘭のウイルスは30種類程あると言われていますが、中でも「シンビジウムモザイクウイルス」と「オドントグロッサムリングスポットウイルス」が代表的なものです。

ウイルスに感染すると、胡蝶蘭の葉の色素が抜けたり、葉にうねりが出たり、でこぼこになる等の症状が出ます。

胡蝶蘭がウイルスに感染して上記の様な症状が出てしまった場合、完治は難しいので、他の株にうつる前に、株毎処分してしまうしかありません。

これらのウイルスは害虫(アブラムシ、コナダニ、アザミウマ等)が媒介したり、園芸用のハサミや人の手からうつることもあります。ですから、胡蝶蘭の世話をする時は、必ず自分の手やハサミを消毒するようにしましょう。

ウイルスに対しては処置よりも「予防」が何より大事と言えます。

◆細菌(バクテリア)

・軟腐病
軟腐病に罹ると、はじめは胡蝶蘭の葉に水で濡れたような斑点が出来、それがやがて褐色に変わって腐敗してしまいます。腐った部分からは褐色の液が染み出てきて、強烈な腐敗臭がします。さらに進むと葉がとろけ、しまいには葉がうすっぺらくなってしまいます。

この病気の原因は「エルビニア」というバクテリア菌です。
症状の進行が速いので、数日気づかずに放っておくと致命的な状態になってしまいます。ですから、葉に小さな水の様な斑点を見つけた時点で、消毒したハサミかカミソリでその部分を切り取ります。
この時、患部よりも大きめに切り取ることポイントです。

その後は患部とその周辺の株に、バクテリアに有効な薬剤(スターナ、ナレート等)を散布します。薬剤以外でも、家にある塩素系殺菌剤(ハイター、ミルトン等)でも同等の効果があります。

・褐斑細菌病
こちらも胡蝶蘭の葉に淡い褐色の斑点が出来、それが徐々に広がって周囲が黄変する病気です。
原因菌は「シュードモナス」というバクテリア菌です。
胡蝶蘭を高温多湿の環境に置いておくと病斑は益々進み、葉が全部腐敗して枯死してしまいます。

この病気に罹ったらすぐに株を処分するか、早目に気づいたら患部を完全に切り取って被害をそれ以上広げない様にしましょう。
薬剤が効かないので、風通しの良い場所に置くなどの予防が大切です。

◆カビ

・炭そ病
炭そ病に罹ると、胡蝶蘭の葉に黒い斑点が出来ます。はじめは淡い褐色の小さな円形斑点ですが、それが拡大していくに連れ茶褐色となり、周囲は黒褐色になっていきます。

伝染はカビの胞子の飛散に依って起こります。葉が健康ならカビが侵入してもすぐには発病しません。しかし、葉焼け等で葉が弱ってくると葉に潜伏していた病原菌が活動をし始めます。

対策は、患部を切り取って、糸状菌に有効な「ダイセン」や「ダコニール」等の薬剤を散布します。

・灰色かび病
これは、胡蝶蘭の花びらに灰色の斑点が出る病気です。栽培環境が低温で多湿だと発生します。初めはつぼみに水に濡れたような小さな褐色の斑点が出ます。それを放置しておくと花が開くに従って斑点が大きくなり、灰色から緑灰色のカビが発生します。

原因菌は「ボトリチス菌」です。
対策としては、患部を切り取り、湿度を下げ、濡れた花や葉が常に乾いた状態でいられるような環境にしましょう。

この病気は湿度が高い時に発生し、風や水やりの時に飛散して感染が広がることがあります。それだけに胡蝶蘭が好むように温かく乾いた環境に整えることが重要となります。

・立ち枯れ病
この病気は、胡蝶蘭に水を与えているのに、葉に艶が無くなって枯れてしまうものです。
原因菌は「リゾクトニア菌」で、水のやり過ぎに依る湿気で鉢の表面に茶色い蜘蛛の巣状の菌糸が張り付きます。

初期段階で気づけば根を切り落として植え替え、よく乾かしてから水やりを再開すれば回復します。
しかし、葉が萎れて根も殆ど無くなった状態ではもう処分するしかありません。

立ち枯れ病は胡蝶蘭の根から発病するので発見が遅れることが多く、気づいた時は手遅れになっていることが多いです。日頃から胡蝶蘭の様子をよく観察し、水のやり過ぎと風通しに注意して育てるようにしましょう。

薬剤としては、「リゾレックス」「バリダシン」「モンセレン」等があります。

◆まとめ

こうして見て来ると、胡蝶蘭の病気は胡蝶蘭を置く環境が良くないと病気を引き起こすことがわかりますね。
胡蝶蘭は葉からも空気中の水分を吸う性質がありますから、水のやり過ぎには充分注意をし、風通しの良い場所に置くと共に、手入れの際には自分の手やハサミ類を消毒することを忘れない様にしましょう。
そうして、元気の良い胡蝶蘭を楽しみたいものですね。

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